人間の脳には右脳と左脳がありますが、その働きは音楽にも関係があります。
右脳と左脳の違いを簡単に述べますと、左脳は"思考"や"倫理"を司る「人間的な脳」、右脳は知覚・感覚の働きを司る「動物的な脳」と言われています。
音楽は、基本的には右脳の力です。
音楽とは「感じるもの」ですから、瞑想、イメージ力に優れている右脳が曲を聴きとります。
そして右脳を活性化させるためには、クラシック音楽を小さい頃から聴かせることが良いとも言われています。
そのため一般的に音楽=右脳と考えられ、それは間違いではありません。
しかし、実は、より良い演奏者になるためには、左脳の力もとても大切なのです。
良い演奏をするためには、旋律を聴きとるだけではなく、全体的に曲を聴き、分析する力がなくてはいけないのです。プロの演奏家は、皆、左脳も優れています。
豊かな創造性を発揮できる右脳、分析と理論性を持ち合わせる左脳、その二つの脳の力を十分に発揮することによって、素晴らしい演奏者となれるのです。
また、絶対音感は左脳の力です。「絶対音感を持つと、左脳が2倍発達する」と発表したドイツの大脳生理学者もいます。
絶対音感を持つ人は、普通の人が使わない脳の細胞(脳のPT細胞)を使用しているそうです。
絶対音感を身に付けることによって「頭の良い子」が育つとも言われています。
絶対音感を身につけるには臨界期(6~7歳くらいまで)もありますが、まずは小さいころから音楽に触れる環境を作ってあげることが、右脳・左脳共に活性化させ、音楽的にも人間的にも心豊かな人に育つためのスタートになるのではないでしょうか。